ランチョ・サン・マルコスに別れを告げて、山道を一気に下りサンタ・バーバラ市内ホテルPacifica Suite へ向かう。早めに出たつもりだが、アッと言う間に日は暮れる。アメリカと日本では、日没時間も感覚が異なる様だ。カーナビでは、ホテルの近くに居る筈だが中々、場所が分からない。何回かグルグルと近くを回り、やっとPacifica Suiteの小さな看板・入口を見つける。ランチョでロストボールを見つけ出した時の延長の様に「やった、ここに有った!よしよし!」と暗い樹木の中に浮かび上がるホテルの看板に全員が喜びと安堵の声を上げた。中庭にプールが有る二階建てのコテージで、スイートルーム付きのユッタリとした空間のリゾートホテル。サンタモニカのホテルとは同額だが、倍程も値打ちが有る。いよいよ夕食だ。ホテル作成のレストランガイドより、良さそうなレストランを選択し、タクシーで向かう。イタリアンでは有ったが、リゾット・サーモンサラダ・海鮮類の揚げ物等々、全てに文句の付け様の無い。リゾットは、今までは余り美味いと思った事は無かったが、茸類・チーズ等々の奥深い味わいは秀逸で、一同その旨さに顔を見合わせて唸る。レストランスタッフは、明るく心地良い。写真撮影にも気持ち良く応じてくれて何枚も撮ってくれる。タクシードライバー、ホテルスタッフ、ゴルフ従業員、全ての人々がホスピタリティーに富んでいる。全米一美しい街は、人の心も美しいから世界中の人から好かれるのであろう。この開放感にあふれる爽やかなおもてなしは、日本も学ばなければならない。日本では、記念の写真を撮る時には、「写真を撮ってくれますか?」と頼まないと撮ってくれないが、ここでは必ず誰かが「写真を撮りましょう!」と申し出てくれる。単に風景が美しいだけでは無く、この様な心地良いおもてなし、人との触れ合いが、旅をより愉しい思い出深いモノにしてくれる。ハチ、イクも今夜は控えめにワインを嗜み、上機嫌でホテルに帰り明日に備えてベッドで就寝。スッカリ昼間のランチョ サンマルコスでのゴルフで打ちのめされた事は忘れている。翌朝、気分良く爽快に目覚めた我々、朝食を食べて早速出発。カーナビを見ながら行く道を心配するも、数分で難なく直ぐにサンド・パイパーに到着オーーーーービューティフル!オーーーーマイゴッド!目の前に現れたゴルフコースの美しさに驚嘆し我を忘れる。何処の景色を切り取っても美しく絵に成る。景色を愛でる卒業生、と言っても愛でるに値する景色が、ゴルフコースに無くては話が始まらない。ここでは、誰もが一歩コースに足を踏み入れるとゴルフの神髄が一瞬で理解が出来て、即卒業生に成ってしまう。日本の海の色とは異なり、ブルーの色もより明るく波も穏やかだ沖に浮かぶ船も動かずに静寂を保っており、日常の喧騒とは別世界で自然と心も落ち着く。眼前の岬の先にグリーンが見える余りに美しいばかりだ。インコースは、なだらかな美しいコースが広がる。特に3番ホールは空と海をバックに広くて小高い丘にグリーンにピンが立っている。海と空に向かって真っ直ぐに白球が飛んで行くのには、感銘を覚える。美しい海を横目に眺めながらの穏やかなゴルフ。ハーフを終えて一服、テラスで休んでいるとアウトコースが望める。しかし、その出だし10番ホールグリーンに通じるフェアウェイの両端は海その先のグリーンの周りはバンカーが囲んでいるが、その横は直ぐに深い崖である。ボールを少しも曲げる訳には行かない。
何処にボールを運んで良いのか、、、コースの美しさに反して身震いする様な不安感、
恐ろしさを感じる。
恍惚と不安を感じながらのティーショット
つづく